キスリング展 (東京都庭園美術館)
モイーズ=キスリング展が7月7日まで、東京都庭園美術館で開催されている。
この美術館は朝香宮鳩彦王がフランスのインテリアデザイナー、アンリ=ラパンに設計させた、アール・デコ様式の粋を尽くした館である。
玄関扉がラリックのガラスパネルで、この館を見るだけでも行く価値はあるが、そこにエコール・ド・パリを代表するキスリングが90点以上も集まっており見ごたえのある展覧となっている。
キスリング 「ブロンドの少女」1947年 6F
ポーランド出身のこの画家の特色は、ブロンドの髪に碧眼の女性像、裸婦、及び艶やかな色感の花の作品である。
経済的に恵まれていたキスリングは、高価で上質の画布と絵具を用いる事により、描きたての様な発色を現在でも保つ事に成功している。
面倒見の良い彼の元には多くのアーティストが集まり、一種のサロンを形成し、モンパルナスの王と呼ばれた。
モディリアーニが若くして亡くなった時には、葬儀の一切の費用を出し、取り仕切った。
人間的にも温かみのある、魅力的な画家である。