佐伯祐三展
現在、中之島美術館で開催中の佐伯祐三展は、中之島美術館所有の佐伯コレクションをイメージして行くと、良い意味で裏切られる展覧会です。
油彩だけでも140点近く、日本時代、第1回及び第2回渡欧時代を含め、国内にあるほとんどの代表作が集結した様な圧倒的な内容で、この美術館の佐伯に対する情熱が観る者にひしひしと伝わってきます。
確かに佐伯は、師と仰ぐ、ヴラマンク程の絵画技量は持っておらず、同じく画家であった妻の米子による加筆疑惑もありますが、何より絵に対する修行僧にも似た一途な情熱、自らの命を削って格闘していた痕跡がキャンバスの隅々から観る者に訴えてきます。
純粋な者故の苦悩を抱えながらも、絵に全てを注ぎ尽くした潔ささえ感じます。
これ程の充実した内容の佐伯展は、これから先も望めず、是非ご覧頂きたい展覧会です。
佐伯祐三展 自画像としての風景
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大阪中之島美術館 06-6479-0550
大阪市北区中之島4丁目3-1