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ヴールデル(1861~1929年)

 

アントワーヌ=ヴールデルは30歳代に約10年ほどロダンの弟子として、その製作に携わった。

 

やがてロダンの影響を脱し、構築的な作品を目指した時、ロダンは「私にとって彫刻は肉付けであるが、ヴールデルにとっては建築である」と語っている。

 

かなり昔の事だが、初めてロダン美術館を観た後に、ヴールデル美術館を観た時の驚きと衝撃は、今もって色褪せる事はない。

豪華なオテル=ビロンに対して、中に入っているロダンは小品が多く、少なからずがっかりしていた所に、美術館としては小ぶりだが、中に入っているヴールデルの圧倒的な大作のブロンズやその原型の持つ力強さに打ちのめされ、初めて彫刻というものに魅了され、心を奪われました。

 

 

ヴールデル 「パリジェンヌ」 susse no3  H80cm  1907年

 

「弓を引くヘラクレス」や「風の中のベートーヴェン」など男性的な作品が多い中で、写真は珍しく女性的で優美な「パリジェンヌ」です。

 

彫刻家としては、ミケランジェロ以来の天才であるロダンが、ヴールデルだけには心より嫉妬したという話は、それぞれの作品を見比べれば納得してしまいます。

 

 

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