ティッセン・ボルネミッサ美術館(マドリード)
8月2日より夏期休暇を利用してスペインに行ってまいりました。
マドリード、トレド、バルセロナと周って来ましたが、マドリードではプラド美術館はもちろんですが、その近くのティッセン・ボルネミッサ美術館が素晴らしく、ドイツの鉱山財閥であるティッセン・ボルネミッサ男爵父子二代に渡る膨大なコレクションが収められている。
17世紀オランダ絵画より始まり、アメリカのポップアートまで幅広いレパートリーながら、個人コレクション特有の明確な趣味と美的センスに貫かれており、プラド以上の魅力を発していて、個人のコレクションが、国の美術館に対抗しうる事実に驚かされる。
ピカソ 「鏡を持つアルルカン」
見どころは、カラヴァッジオ、印象派、後期印象派、フォービズム、ピカソ、シュールレアリズムなど多彩だが、どれも素晴らしく、美しい作品ばかりである。
しかし何故ドイツのコレクションがマドリードにあるのかという疑問が残るのだが、それはティッセン男爵の最後の妻が元ミス・スペインのカルメン夫人であった事が大きいと思われる。
一個人の集めたコレクションの質と量もすごいが、それを丸ごとスペインに持ってこさせる一女性の魔力にも驚かされる。
バルセロナでは、なんと言ってもドメネク・モンタネールの設計した最高傑作カタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院が素晴らしく、モデルニスモの装飾的で華麗な建築の中でも群を抜いて美しい。
あまりにも有名なガウディの陰に隠れてしまい、目立たない存在だが、生前はガウディ以上の名声を博していた様で、その建築様式から「花の建築家」と呼ばれていたそうである。
カタルーニャ音楽堂