ビュールレ・コレクション展
バーンズやコートールドなど、質と量において世界最高のコレクションが存在するが、そのセンスにおいてはこれに匹敵するのがビュールレ・コレクションである。
ルノワール「イレーヌ」
ルノワールの「イレーヌ」 セザンヌの「赤いチョッキの少年」はそれぞれの画家の紛れもなく最高傑作であり、ゴッホやゴーギャン、そしてモネの睡蓮の大作に至るまで、一人のコレクターの確かな美意識で貫かれており、ただ財力にあかせて集めた類のコレクションでは決してない。
そして、その美意識は古くは18世紀のカナレットのヴェネツィア風景から、20世紀最大の画家ピカソまで広がりを見せ、柔軟性を感じさせながらも、譲れない洗練されたこのコレクターの趣味に包まれる心地よい展覧会である。
ビュールレ・コレクションが此の度、チューリッヒ美術館に移管されることとなったそうだが、一人のコレクションがたとえ、その後どのような運命を辿ろうとも、それを収集したコレクターの情熱、センス、見識等に対する尊敬の念を込めてコレクターの名前が常に冠され続ける。
財力の使い道として、これ以上のものがあるとは思えない。
【至上の印象派展 ビュールレ・コレクション】
東京展
2018年2月14日(水)~5月7日(月)
会場:国立新美術館
福岡展
2018年5月19日(土)~7月16日(月・祝)
会場:九州国立博物館
名古屋展
2018年7月28日(土)~9月24日(月・祝)
会場:名古屋美術館