ブリューゲル「バベルの塔」展
ブリューゲル「バベルの塔」展のレセプションへ行ってまいりました。
キリスト教をテーマにした、木彫や油彩画がしばらく続いた後、突然輝くようなオーラを放つ作品に目が釘付けになりました。
作者不明の二点の絵画、≪聖カタリナ≫と≪聖バルバラ≫です。
≪聖バルバラ≫
枝葉の刺繍の画家(1490-1510年頃にブリュッセルとブリュッヘもしくはどちらかで活動。) 油彩、板 96×63.5㎝
仮に「枝葉の刺繍の画家」とありますが、複数の画家による工房作品なのでしょうが、これ程の精緻な技法と鮮やかな色彩表現は目にした事がなく、特に≪聖バルバラ≫の観音像にも通じる慈悲深い憂いを帯びた美しさには心を奪われました。
「バベルの塔」は大きな模型や3倍サイズの複製など、涙ぐましい努力。
ボスの二点も、もっと素晴らしい作品を知っているだけに少し残念。
でも二人の聖女に会いに行くだけでも十分に価値のある展覧会です。
もちろん、ブリューゲルの「バベルの塔」は間違いなく傑作中の傑作です。