「クラーナハ展」(1472-1553年)
2017年1月28日~4月16日までルカス=クラーナハ展が中之島の国立国際美術館で開催されており、レセプションに行ってまいりました。
ルカス=クラーナハ(父)は、ドイツ・ルネサンスの画家で、神聖ローマ帝国内のザクセン選帝侯の宮廷画家です。
選帝侯から授けられた紋章は、コウモリの翼を持ち、ルビーの指輪をくわえた蛇のデザインで、以後クラーナハの作品の署名代わりとなります。
実際の裸婦を写生したとは思えない、奇異なバランスの特異な裸婦像が有名です。
どの解説にもエロスと誘惑とありますが、個人的には全く女性的な官能性は感じず、むしろ中性的で感情のない、見る者を突き放す冷酷ささえ感じます。 そこに近寄りがたい美が存在するのですが、代表作の「ユディト」や「サロメ」も男の首を切り落とすという行為の直後にも、微笑んでいたり、無表情であったりします。
「ホロフェルネスの首を持つユディト」
又、「不釣り合いなカップル」や「ヘラクレスとオンファレ」など、後のカラヴァッジオに影響を与えたのではないかと思われる作品もあり、とても興味深かったです。
「不釣り合いなカップル」
日本で初、世界的にもこれだけの質と量のクラーナハ展は初めてではないかと思える程の圧倒的な内容で、必見です。